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   【どうする労務:VOL.2】

                  『アルバイトの有給休暇』
所定労働日数と有給休暇 〜有給休暇の付与条件〜

 今回はアルバイトやパートタイマーの有給休暇についてです。


【ある事例】
 週3日中古車販売店でアルバイトをしている大学生のC君。この店で働き出して8箇月になります。来週は試験期間の為、マネジャーのDさんに「来週の3日間の休みは有給休暇にしてください」とお願いしたところ、Dさん目を丸くして「えっ、C君、君はアルバイトじゃない。有給休暇取れるのは正社員だけだよ」「えっ、アルバイトは駄目なのですか?そうですか・・・前のバイト先では有給休暇取れたので・・・」それを聞いてDさん益々驚いた顔で、「へぇー、アルバイトに有給休暇ね。いい会社だね。でも、うちは駄目だよ。休むのは構わないけどさ」
C君は“ふーん、会社によって違うものなのかな?わからないけど、しょうがないか・・・”と有給休暇を取得するのは諦めてしまいました。

さて、いかがでしょう?有給休暇は正社員だけのものなのでしょうか?

 有給休暇には発生要件があります。労働基準法では、「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない(労働基準法39条1項)」と定めています。
継続勤務6箇月で10日、その後は1年経過毎に下記の表の有給休暇の日数を付与します。




 この際、労働者とは全ての労働者を指し、正社員やアルバイト、パートタイマー等で区別はしていません。では、事例のC君の様に勤務日数が少ない労働者に対しても上記の表と同じ日数の有給休暇を付与しなければならないのでしょうか?
 C君の場合、労働日数が少ない分、有給休暇の日数も少なくなります。所定労働日数に応じて有給休暇を付与する事を比例付与と言います。では、比例付与の対象となるのはどういった働き方をしている人でしょう?これも、パートタイマー、アルバイト等で区別されている訳ではありません。以下の条件にあてはまる場合に比例付与とし、条件を超える場合は通常の労働者(正社員)と同じになります。

<比例付与の対象となる者>
1週間の所定労働時間が30時間未満の者であって、かつ、次の)瑤廊△里い困譴に該当する者
週の所定労働日数が4日以下の者
週以外の期間で所定労働日数が定められている場合には、1年間の所定労働日数が216日以下の者


     

 比例付与される日数は下表の通りです。


 比例付与日数の計算は通常の労働者の1週間の所定労働日数を5.2日とし、次の計算式で計算されます。

   


小数点以下の端数は切り捨てられます。
従ってC君の場合、8箇月勤務し、週の所定労働日数は3日ですので、
  10×(3÷5.2)≒5.769・・・
となり、5日の有給休暇が付与される事になります。

 上記の表からも明らかなように、たとえ週に1日しか勤務していない人であっても、6箇月以上継続勤務し、8割以上出勤した場合には、有給休暇が発生します。

 使用者は、正社員の場合と同じく、アルバイトやパートタイマーを雇用する際にも労働条件を明示しなければいけません。労働条件を明示する書類や、就業規則を整備しておく事が良好な労使関係を築く上で大切です。次回はこの点を見ていきたいと思います。


天野社会保険労務士事務所 代表
社会保険労務士・FP 天野 由加里
milokopi@sc4.so-net.ne.jp