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   【人を活かす人事・労務:VOL.1】
        『就業規則の周知の手続きと社員への効力』
 
 本年3月1日より「労働契約法」が施行されました。本法律は、使用者と労働者が労働条件等について対等の立場で合意し、労働契約することなどを定めた法律です。
 この法律で中心的な存在になるのが「就業規則」です。就業規則に定められている労働条件などが、労働契約内容そのものになります。


  したがって、就業規則は、むやみに使用者の都合で改定ができないばかりか、使用者は誰でも何時でも就業規則が見られる状態にしておくことや、内容について周知しておくことが必要です。
  こうした状態をキープしておかないと、問題が発生した時に、「就業規則に書いてあるから、それは認められない」などといったことが通用しなくなる恐れがあります。したがって、使用者は、労働契約の折に就業規則が周知されていて、その労働条件が合理的であるならば、その労働条件が労働契約の内容になるという認識をしっかり持つことが求められます。

《就業規則の運用》

  1. 社員代表の同意を得て、就業規則や労使協定書を作成し労働基準監督署に届け出たら、
    会社控えの コピーをとり、作業場の見やすい場所への掲示・備え付けなどの社員への周知が必要です。
  2. 就業規則等を新規に作成した場合でも、改定をした場合でも、社員への周知を怠ると、労働基準法違反となりますし、社員とのトラブルで思わぬ出費や損害を受けることがあります。

《就業規則の運用の留意点》

  1. 労働基準法は、新たに就業規則を作成する場合であろうと、従前の就業規則を改定する場合であろうと、常時10人以上の労働者を使用する使用者に対し、就業規則の作成(労基89)、その際の労働者代表の意見聴取(労基90)、監督官庁への届出(労基89)、労働者への周知(労基106)のすべてを義務付けています。



  2. 就業規則が、法的規範として拘束力を生ずるためには、その就業規則の適用を受ける事業場の社員に周知させる手続きがとられていなければならないこと。

  3. 社員代表の同意を得て就業規則を制定し、これを労働基準監督署長に届け出ていても、周知手続きがとられていない場合には、その就業規則に拘束力は生じないこと。

  4. 労働基準法および厚生労働省令が規定する就業規則の周知方法は
    ‐鏤各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること
    ⊇駝未鮗勸に交付すること
  5. 社内パソコンであれば、いつでも閲覧できる状態にあること




  6. 労働基準法で規定する労使協定(例 時間外労働・休日労働に関する協定、1年単位の変形労働時間制に関する協定など)等についても、同様の方法で周知手続きをする必要があります。


かのう社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 狩野 一雄