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   【人を活かす人事・労務】

Vol.13
『健康診断ー労働安全衛生法』

 

 

 
【健康診断―労働安全衛生法】
 

 従業員が健康ではつらつと仕事をすることは、生産性ばかりかCS(顧客満足)にも影響を与えます。従業員の健康を保持するためには、会社として必要な労務管理が求められます。その一つが定期的な「健康診断」です。健康診断は、労働安全衛生法に定められた会社の義務です。そこで、今回は労働安全衛生法の健康診断について、確認しておきます。
 労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに快適な作業環境の形成を促進することを目的として、昭和47年に制定されて今日に至っています。
 この法律は、賃金、労働時間、休日などの労働条件が労働災害の防止等と密接な関係があるため、労働基準法と一体的に運用されています。
 使用者(この法律では事業者という)には、労働災害防止のための法で定められた最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境をつくり労働条件を改善することで、労働者の安全と健康を確保する義務と責任があることを明確にしています。
 同様に、労働者も労働災害を防止するために必要な事項を守り、会社が実施する労働災害防止等の措置に協力するよう努めなければなりません。

 労働安全衛生法では、さまざまな安全衛生対策が定められておりますが、この項では、労働衛生管理のなかでも重要な事項であります、働く人の健康を維持しさらに向上させる健康管理、特に健康診断をテーマとしました。
   
【健康診断のポイント】
1 健康診断の実施
 

 健康診断は、職業性疾病の予防や生活習慣病対策など、健康管理の中心をなすもので、事業者に対して、仕事の内容に応じた必要な健康診断を義務づけています。主な一般健康診断等は次のとおりです。

 
 
常時雇用する従業員を新たに雇い入れる際には、雇入時健康診断を実施するか、3か月以内に受けた医師による健康診断結果の証明書を提出してもらいます。
常時雇用する従業員に対しては、1年以内ごとに1回、定期的に健康診断を実施しなければなりません。また、特定な業務や深夜業に従事する従業員については、6か月以内ごとに1回、定期的に健康診断を実施しなければなりません。
 
2 健康診断結果の通知及び実施後の措置等
 

健康診断の実施結果は、従業員に通知するとともに「健康診断個人表」を作成し、5年間保存しなければなりません。
また、事業者は、所見有りと診断された従業員の健康保持のため、必要があるときは医師等の意見を勘案して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な措置をとらなければなりません。
さらに、健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める従業員には、医師や保健師による健康指導を行わせるように努めなければなりません。

   
3 パートタイマーと健康診断
 一定の要件を満たすパートタイマーや臨時に雇用された者に対しても、正規従業員と同様に、労働安全衛生法に基づき健康診断を実施しなければなりません。
一般健康診断の実施対象は、次のいずれの要件も満たす者です。
期間の定めのない労働契約により雇用される者。または、期間の定めのある労働契約により雇用される者であって、契約更新により1年以上(特定業務に従事する者にあっては6か月以上)雇用されることが予定されている者、若しくは引き続き雇用されている者。
1週間の所定労働時間が、その事業所において同種の業務に従事する正規従業員に比べて4分の3以上である者。
実施しなければならない主な健康診断は次のとおりです。
常時雇用するパートタイマーに対し、雇入時健康診断、1年以内ごとに1回の定期健康診断
深夜業を含む業務等に従事するパートタイマー対し、その業務への配置替え時の健康診断、6か月以内ごとに1回の定期健康診断
 
一定の有害な業務に常時従事するパートタイマーに対しての特殊健康診断
その他必要な健康診断
なお、同様の常時雇用するパートタイマーで所定労働時間が正規従業員の4分の3未満であっても、概ね2分の1以上であれば一般健康診断を実施することが望ましいとされています。
かのう社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 狩野 一雄