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1回 ハイパワーハイブリッドTHS?+E−Four   〜〜トヨタ自動車のハイブリッドシステム〜〜
ハイブリッド自動車は、2015年までに市場の15%、2020年には25%まで普及すると見込まれています。
そこで、国内外ともハイブリッド自動車では先行するトヨタ自動車のハイブリッド自動車の基本を特集しました。

 ●トヨタのハイブリッドシステム

1.ハイブリッド3つの方式
  ハイブリッドシステムとは、ガソリンエンジンと電気モーターのよ うに2種類の動力源を組み合わせて使用するパワートレインのことです。これにはシリーズ(直列)とパラレル(並列)、シリーズパラレルハイブリッド方式(混合。スプリット方式と呼ばれる場合もあります)の3方式(右図参照)があります。
  シリーズは車輪を駆動するのにモーターを使い、エンジンはモーターへの電力供給源として作動するものです。パラレルは、エンジンとモーターの両方で車輪を直接駆動するものです。シリーズパラレルハイブリッドは、走行状況に応じてシリーズとパラレルを使い分けたり、電動モーターとエンジンの両方を同時に使うものです。

2.トヨタ自動車のハイブリッドシステム
  トヨタ自動車が開発したハイブリッドシステムは、初代プリウスのTHSと二代目プリウスのTHS?は、リーズパラレルハイブリッド方式を採用しています。
  エンジンの動力を機械的に車輪に伝えて走行するモード、エンジンの動力で発電を行いモーターで走行するモード、エンジンを停止しモーターのみで電気自動車として走行するモードの3モードを走行状況に応じ、最も効率のよくなるように制御して、通常のガソリンエンジン車の約2倍の燃費向上と低公害性を実現しています。

 ハイブリッド自動車の方式
  さらにTHS?では、モーターおよびジェネレータとHVバッテリ間の電圧を昇圧するコンバータを採用してモーター、ジェネレータとも高電圧で駆動できるようになり、モーターの高出力化を実現しています。
  また、エスティマやアルファードのハイブリッドではTHS-C+E-Fourを採用。このフロントユニットはエンジンと無段変速機(CVT)を組み合わせたパラレルハイブリッドで、リアユニットはフロントのモータージェネレータで発電した電力を使用してモーターを駆動するシリーズハイブリッドの要素を含んだものです。
  ミニバンの使い勝手に合わせた電気式4WDシステムといえます。また、クラウンに採用されたアイドリングストップを重点に置いたTHS-Mシステムも実現しています(現在は廃止)。

 トヨタのハイブリッドシステムの構成比較
 ハイパワーハイブリッドシステムの構成を下に示す
 フロントトランスアクスル
(フロントモーター,ジェネレータ,動力分割プラネタリギア,リダクションプラネタリギア,オイルポンプ内蔵)

 パワーコントロールユニット
(インバータ,DC-DCコンバータ,昇圧コンバータ,モータージェネレータECU内蔵)
 リアトランスアクスル (リアモータージェネレータ)


 ●ハイパワーハイブリッドTHS?+E-Four

  このシステムは、プリウスのTHS?とエスティマのE-Fourを組み合わせたシステムに改良を加え、ハイパワー(最高出力200kW/時速100?)と低燃費(10・15モード燃費17.8?/L)を達成したものと考えられます。
  モーターの回転を減速させてトルクを増幅する機構としてリダクションプラネタリギアを採用するとともに、プリウスのTHS?同様昇圧コンバータを採用してHVバッテリ定格電圧をDC288Vから最大650Vまで昇圧してモーターの高回転化を図っています。
さらに電気式4WDシステムE-Fourを採用することで、さまざまな条件下でも安定した発進・加速ができるトラクション性能を兼ね備えているのが特徴です。
 3分割HVバッテリパック
(バッテリモジュール,電池監視ユニット,ジャンクションブロック<システムメインリレー,レジスタ,電流センサを含む>,サービスプラグ,クーリングファン3個内蔵)


 THS?+E-Fourシステムの作動




?システム起動・エンジン始動:ブレーキペダルを踏みながらパワースイッチを押すと,HVコントロールコンピュータはHVシステムをチェックした後、システムを起動させます。エンジンの始動は、HVバッテリの電力を用いてフロントジェネレータが行います。



?発進時:通常の発進は、フロントモーターとリアモータージェネレータの駆動力によって行います。冷間時は暖機を行うためにエンジンを始動します。






?軽負荷走行:低速走行時や緩やかな坂を下っているときなどは、エンジンを停止してフロントモーターで走行します。







?定常走行:エンジン効率のよい運転領域では、主にエンジンによって走行します。エンジンの動力は動力分割機構で2経路に分割され、一方は駆動力として車輪に伝達され、一方はフロントジェネレータを駆動して発電を行います。発電された電力でフロントモーターを駆動してエンジンの動力を補助し、このときの発電量は最小限でエンジンの効率を高めます。

?加速時:エンジンの出力を上げエンジン動力を駆動力として車輪に伝達するとともに、動力伝達機構を介してエンジン動力をフロントジェネレータに伝達して発電を行い、その電力を使用したフロントモーターとリアモータージェネレータの駆動力を加えて加速します。さらに加速する場合はHVバッテリからの電力でモーター出力を増幅させます。

?減速・制動時:減速時は車輪から伝わる動力でフロントモーターとリアモータージェネレータを回転させて発電機として作動させます。制動時はブレ−キペダル操作量に応じた制動力を得られるように電子制御ブレーキシステムと協調制御しながらエネルギー回収量を決定します。



?低μ路走行時:フロントタイヤがスリップした場合、リアモータージェネレータを駆動させると同時にフロントジェネレータの発電電力の一部を、フロントモーターからリアモータージェネレータに供給して駆動し車両を安定させます。
 ハイパワーハイブリッドシステム
 
THS?+E-Fourの代表的な作動状況














ハイブリッドに関するサイト
  ハイブリッド自動車 (EICネット=国立環境研究所)
  クリーンエネルギー自動車 (株式会社エコトラック)
  ハイブリッド自動車って何だろう (NEDO=独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構)
  ディーゼルとハイブリッドが合体したエコカーの可能性 (ホットワイアート・ジャパン)



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