今回は、これまでの内容とだいぶ変えて、事故損傷車の、測定について触れます。昨今の車のボディー構造は、4〜5年前から、各メーカーでだいぶ特色がでてきました。
不等圧の鋼板や、超抗張力の鋼板などを使い、室内キャビンの損傷時におけるダメージを最小限に抑える構造が主流になってきましたね。
ですから、作業を行なっていても、いままでと違ったところに歪みや、ダメージの波及が出てきてしまい、目視による外観だけでは、とても修理できないように思われます。(当たり前ですかね。)ですから、今回は中ダメージから、大ダメージの損傷の事故車の測定の重要性について、書かせていただきます。
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1. 疑わしきは測定する。 |
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なぜか、犯罪のようなテーマになってしまいましたが、どのようなことかというと、損傷の大小に 関わらず、軽度のダメージでも、足回りや、骨格部に損傷がある事故車は、絶対に車体の歪みを測定するということです。必ずフレーム修正機や、アライメントテスターを使って測定しろということでなく、簡易的でもいいから、トラッキングゲージ(写真1)やメジャー(写真2)等を使って、最低限の寸法を測ってほしい、ということです。
(全ての写真は、クリックすると大きくなります。)
まず「あーこの程度の事故なら、たいしたことねーよ」というような、安易な気持で、作業をせず、大事な仕事なのですから、確実に波及の有無を把握した上で、作業を行なう癖をつけてください。
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簡易計測で、寸法上の大きな狂いがあれば、フレーム修正機などで測定しても、十分間に合います。それを見落としてしまい、後々にクレームで仕事のやり直しをするより、ずいぶん違いますよね。ごくまれに、どうしようもなくなってしまい、外板パネルなどを、ヤスリなどで削って、その場しのぎの作業を行なっている車が、わが社にも入庫します。そうすると、すべてが疑わしくなってしまい、すべてやり直しをするような、とんでもない車になってしまいます。
そして、見積もり時の付け落ちがあれば、その時点でのフォローができ、工賃のアップ要因にもなりますよね。見積もりをすべて、一人の人間が管理するのでなく、作業者全員で、フォローする。そんなイメージが最高だと思います。
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