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ISOの本当の目的は?
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先にも述べたように、ISOマネジメントは顧客や社会との関係性を発展させ、最終的には企業のビジョンを実現させる手段になるべきです。認証取得は一つの到達地点としての目標ですが、最終的な「目的」ではないはずです。
目的意識を間違えた企業では、せっかく認証をとってもマネジメントがうまく機能せず、弊害や形骸化が発生していることを筆者も多く目にしています。ISO業界自体も利益主義に走り、認証取得を乱発させたような残念な傾向が一部でみられ、それが一時期のISOの評判を低下させた理由となってしまったようです。
でもISOの本質は何でしょうか。筆者の知っている新潟県の会計事務所が過去にISOの活動をして認証取得をしまいた(この業界では珍しい例です)。 そこの所長さんはISOのために、外部コンサルタント費、認証取得費、所員の教育訓練費などに何と合計1,400万円を使ったそうです(聞いてビックリ!の金額です)。 しかし、その所長さんいわく、「得られた効果を考えれば、何と安い出費だったか。」と。さらに自ら勉強されたISO9001の国際規格の原文を顧客企業の経営者に読むように奨めています。その所長さんにすれば、ISOの国際規格は経営のバイブルとなっているからです。・・・なぜそう感じているのでしょうか?
このシリーズでは、経営に役に立つISOを、実践事例を通して皆様にお伝えしてゆきます。ISOによって、新たな販路開拓につながった組織、従業員の仕事意識とモチベーションが変化した組織、経営者自らがビジョンと経営計画を策定するようになった組織、多くの改善提案により日々の業務活動を進化させている組織などです。
そこには、カーアフター業界以外の様々な業種の中小企業の事例が登場します。 経営改革をしようと考えた場合、同業界に目を向けるのではなく、実は異業種に目を向けると多くのヒントがあるのです。
異業種の会社の優れた仕組みやサービスの工夫を知ったとき、「これを何とか自分の会社で応用できないか?」と考えることから、抜本的な経営改革を果たした企業が多くあります。
さらに皆さんに知って頂きたいのは、「経営課題」とは、経営者や管理者の問題意識によるということです。顧客離れが起きたり、外部の人が誰も評価していない会社でも、そこの経営者に問題意識がなければ経営課題も存在しないのです。
逆に、誰もが認める優れた会社でも、現状に満足せず常に向上心を持っている会社では、経営者はたくさんの課題(チャレンジすべき事)を語るでしょう。それは問題意識の差ですね。
ISOを始めてうまくいっている会社も当然後者の方です。このシリーズでは、ISOの国際規格が要求しているマネジネントのあり方をひとつひとつ解説することにより、皆さんの会社のどこに課題があるのかを自己認識していただける機会になると思います。 次回以降をどうぞお楽しみに・・・ |
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以 上 |
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