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識別及びトレーサビリティ
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まず「識別」とは、すべての製品が何であるかを明確に判断できることです。当たり前のことですが、ビジネスの商流においては、どこで作られたどんな製品か、そしてどこの顧客に行き渡るかを、必要な流通段階(製造業者、中間流通業者、小売店)で明確にされていなければなりません。ひとつの会社の工場や倉庫内においても同様に、使用材料や部品、完成製品の区別を明確にした管理をする必要があります。
また「トレーサビリティ」とは“追跡可能なこと”であり、記録で残した情報などによって、製品の素性や所在をたどれることをいいます。
トレーサビリティを管理する目的の一つは、市場や顧客に引渡した後に不具合などの問題が起きた場合、その問題の出所や原因を追及するためです。このためには、製品のどの部位にどんな材料が使われたか、誰が作業を行ったかなど、自社の製品・サービスを細かく識別できる情報を記録として保管することです。そうすれば、後で何かあったときに検索ができ、原因調査も可能です。
トレーサビリティのもう一つの目的は、例えばリコール時の対応など、どこに出荷したか、どの顧客に引き渡したかの現在の所在がたどれることです。顧客情報の取得と管理も必要なのです。
製品によっては、製造メーカが自社製品に製造番号を明示して、製造の履歴をたどれるようにしています。(自動車メーカが車体にフレーム番号を刻印しているものそのためです。) 販売店においては、それぞれの顧客に対して販売した製品・サービスの明細を管理するする必要があります。 |
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顧客の所有物
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顧客からの所有物や支給品については特別な管理を施すことが要求されています。皆さんの会社が修理工場であれば、お客様の所有物をいつも扱っていることになりますね。
提供された顧客の所有物は識別し、損傷を与えないように保護・防護をする必要があります。当たり前のことですが、顧客の所有物を紛失、損傷した、あるいは使用に適さないとわかった場合には、顧客に報告し、かつ状況の記録を残すことが要求されています。 |
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製品の保存
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皆さんの会社で取り扱っている製品を、損傷や劣化から保護することを目的に、保存の条件や取扱い方などを、組織で決めてルール化することが重要です。特に、倉庫を持っていて製品を保管している会社にとっては、より重要です。
これは、特定の顧客や指定納品先へ引渡すための完成製品のみならず、製品を構成する要素(部品や材料など)も、管理の対象に含まれます。 |
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