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第第4回 ホンダの新ハイブリッドシステム 3ステージi-VTEC+IMA |
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●ホンダのハイブリッドシステムの経緯 |
1999年にスポーツカー「インサイト」に搭載されてデビューした「ホンダのハイブリッドシステムIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」は、文字どおりエンジンの非力な部分をモーターの力で補うタイプのハイブリッドシステムでした。その後、このシステムを進化させて、2001年にシビックハイブリッドに搭載しました。そして、このほどフルモデルチェンジする新型シビックに、さらにシステムを進化させて搭載されました。それが、この3ステージi-VTEC+IMAシステムというわけです。 |
●新システムの性能は? |
知能化したVTEC機構(可変バルブタイミング)で、低回転・高回転・気筒休止の3段階でバルブ制御を行う新開発の「3ステージi-VTEC」エンジン(1.3L)と、大幅に小型・高効率化した「IMA」を組み合わせた新型ハイブリッドシステムです(写真1)。 これは従来のシステム(旧シビックハイブリッドに搭載)から、出力で約20%高めて、1.8Lエンジンクラスの力強い走りを実現しながら(最高出力70+15kW[95+20PS],最大トルク167Nm[17.0㎏m]),燃費を5%以上向上させるとともにシステムサイズの小型化や世界最高レベルの排出ガスのクリーン性能を達成しています。図1に、旧型と新型ハイブリッドのシステム出力とトルク性能比較を示します。 |
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●新エンジンの特徴 |
3ステージi-VTECエンジンは、3系統の油路で五つのロッカーアームの連結と解除を行ないます(写真2、3、図2)。走行状況に合わせて3段階でバルブを制御してレスポンスのよい走りと低燃費を両立しています。 また、減速時などでは4気筒すべての燃焼を休止させる気筒休止を採用してシリンダー内の密閉を保って、吸・排気に伴うポンピングロスを低減しています。これにより減速エネルギー回生量は、図3に示すように従来に比べ約10%向上しました。 そのほか、熱膨張が少なく高温時の摩擦抵抗を低減するアルミダイキャストピストン(写真4)、イオンプレートピストンリング,シリンダー側壁を滑らかに仕上げるプラトーホーニングを採用するなど、エンジンの摩擦抵抗も低減しています。 |
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●補助動力(モーターアシスト)系の特徴 |
ホンダが独自に開発したモーターは、交流同期電動機(薄型DCブラシレスモーター)で定格電圧は158Vですが,新構造のステータやローター(コイルの巻き線の高密度化や高性能磁石)の採用などによって、従来とサイズは同等で出力は約1.5倍に向上しています(写真5。最高出力15kW[20PS],最大トルク103Nm[10.5㎏m])。 また、モーターの回転を制御するインバータも独自に開発・生産してモーターECU(コンピュータ)と一体化することで、より高精度のデジタル制御ができるようになりました。その結果モーターの効率を高め、一層の低燃費化に貢献しています。 なお、バッテリーも進化しています。内部抵抗の低減、集電部形状変更,低抵抗電解液の採用、12連モジュール化などで出力密度を向上(25%。写真6)しています。またバッテリーを納めるボックス(写真7)を専用設計して小型化するとともに冷却性能や耐振動性を高めて信頼性の向上を図っています。 |
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● そのほかの性能も向上 |
ブレーキペダルの踏込み量に合わせた滑らかな減速と最大限の減速エネルギー回生を可能にするため、減速エネルギー回生量に合わせたブレーキ油圧制御を行う協調回生ブレーキを採用しています。 さらにエンジンとモーターで駆動するハイブリッドコンプレッサを採用したエアコンは、アイドリングストップ時にはモーターを駆動し、また急速冷房時にはエンジンとモーターの両方を駆動し、温度安定時にはモーターのみの駆動を行って快適な室内空間を確保しています。 |
●エンジン制御状況とエンジンマネージメント(図4) |
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