□第1回講座
売れない時代の集客力
強化策
□第2回講座
品揃えはお客様に聞け
□第3回講座
なぜ売れないのか
□第4回講座
回転率こそ中古車
経営の命
□第5回講座
単品管理こそ長在車
対策の秘訣
□第6回講座
女性客をつかまえろ(1)
□第7回講座
女性客をつかまえろ(2)
□第8回講座
農耕型中販店へ
発想転換しよう
□第9回講座
買取りで仕入れ力を
高める(1)
□第10回講座
買取りで仕入れ力を
高める(2)
□第11回講座
求められる「売り込む」
から「買ってください」へ
の発想転換
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落としこみの価格とは |
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前回に引き続いて在庫回転率の向上対策について述べたい。
回転率向上の基本的な考え方は、販売価格に対する発想の転換にある。これまでは「台当り18万円なければ儲からない」といって仕入原価に18万円の粗利益を上乗せしてプライスをつけていた。もちろんすべてのクルマにこうした考えでプライスをつけていたわけではないにしても、考え方の大要はこうだろう。まさに自己中心的な価格施策だ。
「価格は市場に聞け」がマーケッティングの要諦(ようてい)だが、自分の都合に合わせた価格がユーザーに魅力であるはずがない。
そうではなく、「このクルマはいくらのプライスだったら来店してくれるか」。俗に言う“落とし込みの価格帯”を「仮定と検証」で探るのが価格施策なのだ。もちろん目玉商品と収益商品とでは落とし込みの価格設定が違ってくるが、まず売れる価格が先決である。販売価格から仕入原価をひいた残りが粗利益となるが、「そんなことで利益を出していけるはずがない」と反論されるかもしれない。しかし、それで利益を出していかねばならないのだ。稼いだ粗利益のなかで生活していかねばならない。だからこそローコスト・オペレーション(低コスト経営)なのだ。
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長在比率を10%以下におさえる |
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中販店における最大のコストは長在車である。中古車は生鮮商品だから在庫が長びくほど鮮度が落ち、価格が下落する。長在車がるから儲からないし、台当たり粗利益を「うちは18万円ほしい」ということになる。
逆に考えると、長在車を減らすことができたら台当たり粗利益はもっと少なくても経営できるはずだ。その分、販売価格を低減させられたら来店客は必ず増える。その結果、回転率がさらによくなり価格競争力が強まる。マイナスからプラスのスパイラルに切りかえることができる。これからの中販店経営の勝ち残りはこの一点にかかっていると確信している。
長在車、すなわち3カ月以上の在庫車を減らす着眼点は3つある。一つは品揃えである。展示車を徹底して絞込み、目玉になる車を決め、そのクルマを核として同じクルマのグレード・価格帯別に品揃えをし、同時に核にした車の競合他社製品を配置する。目玉車は集客の役割をするものだから価格的に魅力がなければならない。こうした品揃え戦略については前回で述べたとおりである。
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在庫管理は加えるより省け |
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長在車対策の第2点は、単品管理である。
在庫管理の秘訣は、死に筋(商品)を排除することにある。死に筋を排除すれば、結果として売れ筋しか残らない。つまり“加えることよりまず省け”である。展示車全体で回転率が良い悪いを評価してもさほど意味がない。展示車ひとつひとつの回転率がどうかを毎月、チェックしていくことが重要なのだ。何度も言うことになるが、中古車は生鮮商品である。生鮮商品ならば毎日の荷動きがそれこそ勝負ではないか。
単品管理のポイントは次のとおり。
?毎月あるいは前年比で車ごとの販売動向をデータで把握する。
?回転率で稼ぐ車か台当たり粗利益で稼ぐ車を判断する。これをそのクルマの
「回転率×台当たり粗利益=貢献ポイント」で展示車から省く車かどうかを
決定する。
?季節ごと、あるいは1年間の販売のトレンドを把握する。
以上のような単品管理をしていくために、たとえば下表の管理表を活用すると良いだろう。
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